その日は、生徒会集会の日だった。

集会は週に二回、運営について話す場として開かれる。

いつもより早く終わり、早々に帰っていく生徒会のメンバーたち。



僕も帰ろう。

片付けをして、誰もいなくなった生徒会室を後にする。


夕日が綺麗だな。


そう思って、靴箱までの道を、なんとなく遠回りすることにした。

この時の自分の選択を、大いに褒めてやりたい。




一年生の教室に差し掛かり、もう通い慣れた道になりつつあるそれに、くすりと笑
みが溢れる。


香織ちゃんに会う前の僕が見たら、驚くだろうな。

そういえば、香織ちゃんと出会うまで、僕は何を楽しみに生きてたんだろう。

そんなにつまらない日常ってわけでもなかった気がするけど......いや、今に比べれば、なんの面白みも無い日々だった気がする。

もう完全に、僕の世界は香織ちゃんに染められてしまったみたい。



香織ちゃんを好きになって、毎日がこんなにも輝いてる。