翌日。

梅雨特有の湿気は残っているものの、今日は晴天。
私の体調も、ハルの家で一晩ゆっくりと休んだことでしっかり回復した。


ハルにはまた迷惑、かけちゃったな。
気を失った私を家まで運んでくれて、泊めてくれて、朝起きたらあったかいご飯が準備されていて─────。


至れり尽くせりとはこのこと。
ありがとう、と素直に感謝するとともに、罪悪感で胸の奥がぎゅう、とする。



「……おい、花乃」

「あ……、侑吏くん」

「何ぼけーっとした面してんだ」



はっと顔を上げると、侑吏くんが眉をひそめてこちらを見ていた。
ごめん、ともごもご答えて、取り繕うように手を動かす。


今は昼休み。

委員の仕事が積もりに積もっているため、今日もまた侑吏くんと空き教室で作業をしているところだ。



正直、修学旅行実行委員の仕事がこんなに多いとは思っていなかった。
毎日こんな調子だとさすがにうんざりもしてくるもので、小さくため息をつく、と。



「……昨日」

「……?」



突然口を開いたかと思えば、そのまま固まった侑吏くん。
そのあまりにも不自然な挙動に首を傾げた。