「ねーねー!アユノちゃんって彼氏いるの?」

昼休み、食堂で弁当を食べていると、隣に座っていた同僚にいきなりそう聞かれ、歩乃はびくっとした。

「ま、まあ、一応います。」

「あー!やっぱり?!だよねぇー。可愛いもんアユノちゃん。」

他の同僚たちも会話に入ってきて話を盛り上げる。
『年上?年下?同い年?』や、『初めての彼氏なの?』などの定番の質問をバンバン被せてくる彼女らに、歩乃は慌てふためいた。
しかし、歩乃にとって年上の同僚たちとの会話は楽しかったし、女性である彼女らと会話する分には、麗也に対する罪悪感も無くむしろ心地良かった。