泣いて、泣いて、たくさん泣いて迎えた朝。 駅伝大会の日が、ついにやって来た。 「うわ~、寒いっ。これじゃ駅伝が終わるまでに凍っちゃうよ~」 マフラーをぐるぐると首に巻き付けながら、陽子が叫んだ。 駅伝に参加する選手は、各学年から12人ずつ。その中には、もちろん福山先輩がいる。 ほんとは先輩の姿、見たくない。 でも駅伝に参加しない生徒は、沿道から応援するように決められているから、仕方なくわたしも校舎を出た。