院長である親父から話は聞いていた。

この子の親が半年前に運ばれてきてこの病院で死亡が確認された事を。


「ケホッ!ケホッ…ハァハァ…ケホッ!」

泣き出した咲良ちゃんがとつぜん苦しそうにし出した。

…まじかよ。
俺は脈を確認し、聴診をした。

「喘息か。」

ナースコールを押し、吸入器を持ってくるように頼むと、咲良ちゃんの体を楽な体制にさせ

「咲良ちゃん、ゆっくり息してみようか。」

「ケホッ!……だい…じょ……ぶ…ケホッ!」

つよがりめ。