「はぁ…結局こんなに探しても出て来なかったな」


ほとんどのゴミ袋を開けては閉めたりしての

繰り返しでそれでも探し物の体操着とシューズは

無かった。


「水島くん、ごめんね。私のせいでこんなに

汚れちゃって…」


私より1番に探してくれた水島くん。


「だからいいって!気にすんな!」


笑いながら言う水島くん。


「そろそろ次の授業が始まるな…

行かないとだけど、その前に

なぜこうなってるのか教えてくれるか?木村」


水島くんは笑ったと思ったら真剣な目だけど

優しい口調で離す。


「で、でも…授業」


「アホか、授業の以前になぜこんな事になってるか

聞かねぇと気がすまねぇし。

大丈夫、俺も具合い悪くて保健室に居ることに

なってるから後1時間ぐらい休んでも大丈夫」


だから体育の授業中なのに制服だったんだ…。

そうだよね…

せっかくここまで探してくれたのに

話さないなんて無神経だよね。


「それより、俺よりお前がすげぇ汚れてんじゃん。

俺のジャージ貸すからまず着替えろ。

丁度男子更衣室にあるからバレずに持ってこれる」


「で、でも水島くんは…」


私が着替えれても水島くんの着替える洋服が無い。


「俺は大丈夫、保険の水川に頼んで

別のジャージ貸してもらうから

じゃ、取ってくるから西校舎の家庭科室の

前で待っててくれ」


そう言った水島くんは走ってゴミ収集場から出た。