昨日は一睡も眠れず

私は黒い雲が晴れないまま

学校へ行く支度をする。

鏡に写る自分を見ると

目の下にクマが出来ていた。

こんなにもモヤモヤして胸が苦しくて

夜も眠れなかったのは初めてだった。

眠れなかったせいか

今日は異常に体が重い。

目の下に出来たクマは化粧で見えなように

なんとか誤魔化せた。

でも体が重くて一つ一つの作業がゆっくりになる。


「どうしちゃったんだろう、私」


長谷川さんのあの一言でこんなにもなるなんて…。


「うわっ、晴空何その頭」


家の前で待ってた美希が私を見た瞬間のこの驚き。

もう色々と面倒くさくなって

今日は寝癖を直しただけでアイロン掛けまではせず

髪はボサボサのまま。


「ちょっと来なさい」


私を連れて美希が行った場所は美希の家。

美希の部屋に着くなり椅子に座らされる。


「やっぱり昨日の帰りからあんた変。

メロンパンが食べられなかっただけで

私を騙すなんて1億年あっても早いのよバカ」


1億年って…

そこまで私達生きてないよ…。

なんて元気が出ないけど心で突っ込む。

私の髪をアイロンで整えながら言う美希。

勘の鋭い美希にはやっぱり嘘は通じなかった。