ケータイ小説 野いちご

チョコレートじゃ想いは届かない


恋かもしれない




自分が彼のことを好きだと自覚したのは、入社二年目の12月。

流石にこの歳で恋もわからないってどうなんだろう、という疑問は常々あった。




ある時、ちょっと新しいジャンルの服装に挑戦してみたくて、その系統の服装に詳しい友達を探したけれど、周りの仲のいい女の子で詳しい子はいない。


もう男だ女だなんて関係ない、同期の染谷(そめたに)君が確か私服の系統がそれだったし、服装にもこだわっていてオシャレだから買い物に誘った。


男の子と二人で出掛けるのは多分初めてだし、誘ったのは本当に初めて。


染谷君のことが恋愛感情を持って好きだったわけじゃない。ただ、染谷君が私の興味のある服のジャンルに詳しいからついてきてもらっただけ。下心はなかった、と言いたいところだけど、完全になかったわけでもない。


正直なところ、以前から染谷君とは別の同期、坂本君に対してどこか他の人とは違う感情を持ち合わせていたと思う。
だけど、それは同期で同じ部署にいて仕事でペアを組むことが多いから、「近くにいる人を好きだと勘違いしているだけ」なんだろうと自分を納得させていた。


なにしろ今まで恋なんてしたことがなかったから、私にはどんな感情が恋なのかわからなかった。


だから、同期で同じ部署の染谷君と二人で出掛けてみれば自分の気持ちもわかるんじゃないかとそんな下心は割と持ち合わせていた。




< 1/ 12 >