ケータイ小説 野いちご

嫌われ王子を好きな理由

世界中を敵に回しても



◇◇◇◇◇


栗林くんの居場所を聞き回った結果、辿り着いたのは中等部校舎の体育館裏だった。奥のほうからぼそぼそと話し声が聞こえてくる。


私は壁の陰に身を寄せ、そっと様子を確認した。


「はっ!」


目の前の信じがたい光景に、思わず息を呑む。


嘘でしょ。なんで?


栗林くんが地面に倒れていて、浅田達也に頭をぐりぐり踏みつけられている。その周りには、取り巻きの男たちがざっと十人はいる。


「おい、栗林」


浅田はぞっとするほど低い声を出す。


「佐久間をかばうなんて、お前いったいどういうつもりなんだよ」

「別に佐久間をかばってるわけじゃない。お前がやったことに対して、あれは間違ってるから謝れって言ってるだけだ」

「うるせぇ!」


浅田は力いっぱい栗林くんの腹部を蹴り上げた。


「いつもいつもそうやって、えらそうにしやがって。お前も気に食わねぇんだよ!」


激しく咳き込む栗林くんを冷たく見下ろす浅田。その後ろでは、怒気に満ちた声が飛び交っている。



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