ケータイ小説 野いちご

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嫌われ王子を好きな理由

自由奔放でも



◇◇◇◇◇


翌日の午前九時五十分。優はめずらしく言われた時間よりも早く現れた。


栗林くんは文化祭実行員の集まりがあると、ちょうど教室を出ていったばかりだ。


「みんな、待たせたな! 俺が来たからにはもう大丈夫。文化祭、盛り上げていこうぜ! HOー!」


いつも以上に高いテンションで控え室に入ってきた優に、みんなの顔が真っ青になる。喜んでいるのは、たぶん私だけ。


優は変なキャラクターがプリントされた真っ赤なTシャツにアロハシャツを羽織い、赤いチェック柄のハーフパンツをはいている。部屋着だけではなく、私服のセンスも最悪だった。


極めつきは、頭にかぶっているメキシカンハット。本人はそれをカッコいいと思っているところがまだ残念。


「美砂子ー!」


私の姿を見つけるなり、優は両手を車のワイパーのような動作で振りながら駆けてくる。


「俺、ちゃんと寝坊せずに来たよ。えらいでしょ?」

「うん、えらい、えらい。頑張りました」

「わーい! 美砂子に褒められた」


優は両手を広げ、その場でくるくると回り始めた。かなりご機嫌だ。



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