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嫌われ王子を好きな理由 〜それでも私は、あなたが好き〜

何度フラれても



◇◇◇◇◇


翌日、いつものように登校すると、木下さんが真っ先に話しかけてきた。


「小町さん! 佐久間くん、大丈夫でしたか?」

「あっ、うん。寝たらすっかり元気になったみたい」

「そうなんですね。あまりにも具合が悪そうだったのでちょっと心配でしたけど、何事もなかったなら、よかったです」


木下さんはほっと胸を撫で下ろし、水筒から熱いお茶をカップに注いだ。


心配するっていうことは、やっぱりなんだかんだいって、優のことを気にかけてるんだ……。


優の部屋で見たふたりの写真が頭の中をぐるぐると回る。


入学してくる前は、たとえ佐久間優に彼女がいたとしても、同じ空間にいられるなら、それで十分だと思っていた。


むしろ彼女がいて当然だと覚悟していたし、学校の王子様的存在で、会話するチャンスすら巡ってこないかもしれないと思っていた。


別に私のことを知ってもらわなくても、構わないとさえ思っていた。


そのはずなのに、私はいつからこんなに欲張りになってしまったんだろう。


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