季節は、冬。




雪は降っていないけど、肌寒くなってきた。




今月中には降るのかなー?




窓の外を眺めながら、今日も私は特等席にいた。




「寒くなってきたねー。ここ寒くない?」




「はい、大丈夫です。ここからの景色が1番綺麗ですから。」



図書の先生が頼んでいた本を持ってきてくれた。




「今日は来てないの?遙人君。」




「分かりません。約束しているわけじゃないんです。」




「そうなんだ。てっきり約束しているものだと思ってたわ。」



遙人がこの特等席に通うようになって、先生も私と遙人が一緒にいるのを見かけるようになっていた。



私が自分の好きな人を他の人に知らせているのが嬉しかったのか、最初はすごく喜ばれた。



実は弱み握られているんですなんて、嬉しそうな先生には言えなかったけど。



その時、ガラッと扉の開く音がして、だんだん足音が近づいてきた。



「ほら、来たかもよ。」



そう言ってニコニコしながら先生はカウンターに戻って行った。



「よっ!」



「お疲れ様。」



軽く手を挙げて挨拶された。



私の前に座ると疲れているのか、そのまま机の上に突っ伏した。



「なんでそんなに疲れてるの?」



「昨日の夜友達と長電話しすぎた。告白するから手伝えーって。誰がそんなの手伝うか。」



めんどくさいと言ってため息をつく。



「でも、その友達は遙人のこと信頼してるから言ったんじゃない?」