ケータイ小説 野いちご

恋愛カメラ

#0 新しい世界
恋とは




「女優業?」


「ああ。―やってみないか?」


目の前でにっこり笑う、所属事務所の社長を見て、私は顔を曇らせた。


「……何で、周嶺(アマネ レイ)に続いて、私まで女優デビューしなくてはならないの?モデルのはずなんだけど。本業」


「そうは言うが、今の世、女優がモデルをしている場合もあるだろう」


「……まぁ、そうだけど」


近くのソファーに腰を下ろして、髪を解く。


「先方がお前を使いたい、と、言っているんだ」


「何によ」


「ドラマに」


「……」


「何か、見た目がピッタリなんだと」


楽しそうな社長は私が仕事を受けるということを確信しているのか、ずっと笑顔で。


「……恋愛?サスペンス?」


「恋愛で、そうだな……裏の主役?」


「私、演技はしたことないわよ。それでも良いって?裏の主役なら、大事な役でしょうに……」


こんな、演技ど初心者を使うわけ?


私の思いを目で察したのか、社長は息をついて。


「……私もそれを思ったのだが、先方はそれで構わないから、お願いだと。恐らく、嶺の影響だな」


「チッ、」


一足先に勧められるまま、俳優デビューした、同時期デビューのモデルだった周嶺は俳優としても売れまくり、それどころか、初心者とは思えない演技力に誰もが脱帽。


今や、引っ張りだこの人気者。


別に本人はそんなに自慢などをするタイプでもなく、ただ、自分の仕事に誇りを持っている、正直に言うなら、私からしてもかなり好感度は高い相手だけど、同時期デビューということもあり、互いがライバル。


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