正午が訪れたチャイム音を聞きながら、あたしはせわしなく林の中を見回した。


呼吸は自然と浅く、早くなっていく。


膝を立てて座り、カッターナイフをきつく握りしめる。


鞄を足とお腹の間に挟んで自分の体をガードした。


近くからはなんの物音も聞こえてこないが、校舎からは生徒たちのおしゃべりがさざ波のように聞こえて来た。


昼休みが始まったのだ。


この学校にも食べれていない生徒はいる。


あたしは見慣れた校舎を見つめて唾を飲み込んだ。


自由に使える時間だと言っても、昼休みだ。


誰かが外へ出てきて、そしてあたしを捕まえることなんてないだろう。