ケータイ小説 野いちご

強制食料制度

ターゲット

「やめろ! やめてくれ!」


20代と見られる男が悲鳴に近い声を上げ、狭い裏路地を逃げ惑う。


それを追いかけるのは複数の人、人、人。


老若男女様々な人間が怒号のような声を響かせながら男を追った。


「待て! 捕まえろ!」


あちこちからそんな声が聞こえて来る。


追われる男は時々振り返って後ろの様子を確認していたが、今はそんな余裕もなくなっている。


走りながら男の顔は徐々に歪んでいき、その目には涙が滲んできた。


1度流れ出した涙は止まらない。

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