この後、全く顔の熱が冷めなくて
結局遅刻してしまった。


幸い緩い先生だったから
少し注意されるだけで済んだけど、
美桜は私を見てずーっと
ニヤニヤしてきた。


だから
あっかんべーをして返すと
同じようにべーって返されたから
大人しく席に座った。




「莉子ちゃんなーにしてたの?」


授業が終わるなり近づいてきた美桜。


「別になーんも?」


「じゃあなんで遅れてきたの?
それと、そのアザ、なんだろうね~?」


美桜が指差したのは
私の首よりも下。


咄嗟に鎖骨の下を抑えると


「あ、図星?
アザなんて見えてないよ~!
やっぱいちゃついてたんじゃん!」


…ハメられた。