「どちら様ですか?」

嫌な予感しかしないんだけど。

「私、日野ひな!佐川君とは小学校の同級生なんだ。」

佐川と。

「あなたは?」

「私は西牧りか。佐川の彼女じゃないよ。」

「そーなの?良かった。」

良かった?

ていうことは、日野さんは佐川のことが好きなんだ。

「私ね。お父さんの仕事の関係で佐川君と同じ中学に行くことが出来なくなったの。」

え。

「転校する前に告白したんだ。でも、返事もらってないの。だから、もらいに来た。」

そうか、佐川の好きな人ってこの子なんだ。

私の恋は叶わないんだ。

「きっと佐川は日野さんのこと好きだと思うよ。」

「そうなの!?嬉しい。」

いいんだ。二人は両想いで、私は邪魔者。

もう、これで。