「行ってきます」



ある日、家から外に出ると頭上からは大粒の雪が降ってきていた。



まぁ、そうは言ってもここらでは雪なんて珍しくもなんともないんだけどね。



今は12月で季節は冬真っ只中。



尋常じゃないくらい冷たい風が吹き、あたしはマフラーに顔を埋めて手に息を吹きかけていた。


すると、

「真白」


背後で大好きな人の声がした。



「朔、ごめんね。こんな寒い日に呼び出しちゃって」


「別にいいよ、それに寒いのなんていつもでしょ?」


いつだって優しいきみはなんでもないという風に笑ってくれた。


ードキン


そんな笑顔にすらいちいちドキドキしてしまうんだからあたしも重症かもしれない。



でも、それも今日で最後。