「おにーさん、これ企んでた?」 俺の机に軽く腰かけた巽が、騒がしくなったクラスメイトを見ながら言って来た。 「偶然の結果」 「お前ノリ過ぎだろ。……中学んとき咲雪に、誰とも付き合う気なんてないとかかましてたの誰だよ」 「俺かな」 「前言撤回?」 「しないけど」 「……咲雪可哀想―」 「さゆのことは」 ……さゆのことは。 「絶対泣かせないし、傷つけないって決めてるから」 だから。 「だから、付き合わない」