「いつもここで歌ってるの?」






翔「ん?時間がある時だけね」






「そうなんだ」






二つ並んだブランコ






二つが行ったり来たりして、すれ違う。






でも、必ず辿り着く場所は同じなんだよ。






そんなブランコに小さく座って




長い脚でユラユラ動かしている君。






なんか、可愛いなぁ。とか







翔 「北野さんは、なんで今日、」






「北野じゃないよ」






翔 「えっ、北野じゃなかった!?」






「や、北野です。でも、そういうことじゃなくて」





翔 「あ、うん」






「華だよ。私の名前」







翔 「知ってる」





ああ、この子天然なのかなぁ





や、鈍いだけ?






「華って呼んでよ。北野さんじゃ嫌」






私っていつから、こんなにワガママになったんだっけ。






翔 「...華?」






「ふふ、うん!それ」






何ともない顔して、笑ってみたけど




知らないでしょ?




さっきから、心臓がうるさいこと。