誰がインターホンを鳴らしたのかと思ったら、慧君だった。

何で、私は今あなたの事を頑張っって忘れようとしているのに。

「好きだよ。朱莉のこと。誰よりも…」え…慧君が?

慧君の顔が夕焼けのせいかほんのりと赤い。

やっと思いが通じ合った。気がつけば、泣いていた。

「ほんとに?私も慧君のことが好きだよ。だけどずっと不安で言えなかった。自分がこんなにも不器用だと思わなかった。」

ぎゅっ…「朱莉、僕の彼女になってください」慧君の胸に顔が当たる。安心するこの匂い…

返事は決まってる。慧君のことで泣くこともあった。自分のことを責めることもあった。心だって傷ついた。

だけど、涙を流すほど好きになった人は、この人しかいない。

「はい。よろしくお願いします。」