ケータイ小説 野いちご

暗黒王子と危ない夜【after】

黒の帰順









勉強会は案外、順調に進んだ。
初めはそわそわしていたものの、一度問題を解きはじめると集中できて、時間が経つのも早かった。



本多くんは確かに手こずってはいたけれど、理解力はあるみたいで、あたしが基礎を教えると、あとは一人で黙々と解いていた。



成績が芳しくないのは、ただ勉強をしていなかったせい、授業に出ていなかったせい。
頭は決して悪くない。むしろ、本気を出したらかなり上位を狙えるんじゃないかって思う。




途中で中島くんと交代しながら、空いた時間は市川さんの淹れてくれたミルクティを飲んだり、自分の勉強をしたり。



ふたりが喧嘩を始めてしまわないかとハラハラしていたけど、中島くんも根は真面目なのか、余計な口は出さす、ひたすら丁寧に教えこんでいて。


本多くんも素直に質問したり、「合ってる?」と途中でたずねたりしていて、微笑ましさに何度か口元がゆるんだ。




──────そして現在。

時計の針が、19時40分を回った。



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