ふかふかのベッドに身を包まれ、もっと寝ていたくなる。だけどさっきからアラーム音が鳴っていて、それは叶いそうにない。

腕を伸ばして、ベッドサイドにあるスマホを手に取ろうとすると、背後から抱きしめられた。

「んっ……どこ行くの?」

寝起きだからか擦れた声で言うと、上杉さんはさらに強い力で私を抱きしめる。

「どこって、もう起きる時間ですよ?」

ドキドキしながらどうにか声を絞り出すと、彼は子供みたいなことを言い出した。

「まだ起きたくない。麻衣子とずっとこうしていたい」

甘い声で囁かれ、朝から胸が苦しくなる。

上杉さんと気持ちが通じ合って、三日が過ぎた。お母さんは順調に回復しており、検査結果を待って数日後には退院できると聞いた。

私はお母さんが退院するまでの間、上杉さんの家でお世話になることになった。

でも寂しいけど、お母さんが退院したら家に戻るつもり。

この三日間、彼のベッドで一緒に寝ているんだけど、毎晩上杉さんは唇が腫れるほどキスをする。