ケータイ小説 野いちご

叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい

退屈なベッド
初回診!?


シャーーーーー





シャーーーーー




ガラガラガラガラ……





……。






何だろうこの嬉しくない目覚め方。






看護師がまだ開いてないベッドのカーテンを、勢いよく開ける音。
豪快に走らせるカートの音。




はぁ。目覚ましには最悪だな。






って!今日から梶田先生だった!!






「歯磨き歯磨きっ、それから顔も洗わないと。」





普段食事の後に歯を磨くし、顔なんてあまり洗わない。
でも今日から一週間は身だしなみに気をつけないと!





部屋の中にある共同の洗面所で歯をきれいにする。





時計を確認すると回診まで後少しあるし…トイレに行こうかな。















うーん……





「出ない……。」





ここ数日の便秘。腸も弱いからなかなか思うように排便できない。食事はドロっとしてるし、生野菜なんて摂らないから、昨日藤堂先生が言ってたように水分を摂ることが便秘の解消につながるのだけど。





はぁ……。






とため息をつきながら部屋に戻る。






えっ!?






ベッド横にカートが置かれてる。
しかもカーテンが閉まってるから、もう既に私のところに梶田先生が来てしまった!






思わず走って近寄った。





シャ!





「す、すいません。トイレにいってました。」






カーテンを開けると梶田先生と付き添いの看護師山田さんがいる。






『おはよう、大丈夫だよ。いつもより早く来たからね。』





な、なんて優しいのだろう。こういうところが好き……。





って、初めて普通に会話してるんだけどね。






『ベッドに横になってね。』




山田さんに促され急いでベッドに登る。恥ずかしい…この姿を見られてると思うと、なんと滑稽なことか。目の前に憧れの人がいて慌ててる姿。このまま布団に潜ってしまいたい。穴があったら入りたいってこういうことなのかな。






ようやくの想いでベッドに仰向けになる。




『じゃあ胸の音聞かせてね。』






「えっ!?」






アーーーーーーー!!!!!






わーすーれーてーたー!!!!!!!






回診って、聴診とか触診とかあるじゃない!





『服開くねー。』





呆然としている私の胸に山田さんが手をかける。





うわっ!





反射的に開かないように服を両手で抑える。




あ、あ、こんなことしたら余計に恥ずかしい。抵抗してしまうことが恥ずかしいということの表れで、また恥ずかしいっ。あぁ、よく分かんないこと考えてるっ!テンパってる!





そして私の抵抗は虚しく、山田さんに寄ってしっかり開かれるんだけど。





『ごめんねー。




はい、吸って、はいてー。』





それでも梶田先生だけが自分のペースというか、違う空間にいるかのように穏やかな動き。





ドキドキが止まらない……。
聴診器を耳に当てる素敵な姿に、胸が張り裂けそうっ。







『おい、おーい。』






目の前に梶田先生の手がヒラヒラする。




ん?





『呼吸してる?息止めてない?』






はっ!?





あまりの緊張に息することを忘れてた!だからヤケに胸が鳴ってたのねっ。





「はぁはぁはぁ。」





『大きく息を吸ってね。』






と入念に聴診される。早く終わってくれ…。



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