学校から徒歩5分、駅までは3分。
文句無しの立地。


寮に行く途中、スーパーに寄って食料やら飲料やらを買い揃えた。
意外にも鴻上が料理に詳しくて率先して食材を選んでいた。



寮はパンフレットで見るよりももっと綺麗で大きかった。
何よりもパンフレットには載っていなかった庭に1番驚いた。
そんな小学生の日記みたいなことしか思えないほどびっくりした。


他の奴らは、はしゃいで寮内に入ってく。
1番最後に寮に入って、扉が空いていて声のする部屋に足を踏み入れると、他の奴らはもう寛いでる。



対応力スゴすぎでしょ。
交友関係といい、生活環境といい。



「なぁ、寮でのルールとか決めねぇの?
前はあったんだけど。」



立野があらかじめ置いてあった一人掛けのソファに腰掛けて誰に言うわけでもなく、言い放った。



「立野くんは寮生活したことあるんですね?」



鴻上が部屋の隅で少しビクビクしながら立野を見た。