「フッ。はいはい。
 なぁ、藤花。
 最近俺を避けてたり、住宅情報誌を見てたのは、どうしてか聞いていい?」

 突然の毛色の違う質問に体をビクリと震わせた。

「嫌なら、いいんだ。」

「それは………。」

 言いたくない。
 言ってしまったら私の存在価値が無くなってしまう気がする。

「まぁ、いいことにする。
 ただ、もう俺達のことを隠すのはやめないか?」

「え?」

 驚いて体を起き上がらせるとブッと吹き出した俊哉さんが顔を逸らした。
 その顔が微かに赤い。

「見えてる。さっきも思ったけどバスローブだけしか着てないわけ?」

 カーッと赤くなって急いで布団に潜り込む。
 恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。

「だから作法とか分からないって。」

「俺もよく知らんが、そんな風だとヤル気満々かと思われるぞ。
 って何、男側の気持ちを教えてんだか。
 俺以外の奴とこんな状況になるなよ。」