「マジで……?
美衣のお兄さんって、うちの高校の三年だよね?

高校生にもなって、妹が泣くほどケンカするもんなの?」



「ちょっと……いろいろあってさ……」



「そっか。
ケンカするほど仲がいいって言うしね。
美衣とお兄さん、昔から仲いいもんね」



「まぁ、そんな感じかな……」



「一人っ子の私にはよくわかんないけど、なんかうらやましい。

美衣のお兄さん、超イケメンじゃん。

私も美衣のお兄さんみたいなイケメンで、妹と思いのお兄ちゃんほしかったな。

マー君がいなかったら、美衣にお兄さん紹介してほしいくらいだけど……」



「絵梨花には、マー君がいるじゃん。
超ラブラブなんでしょ?」



大人びた絵梨花は、同級生の男子じゃ物足りないみたい。



彼女が中学生の時通っていた塾の講師だった大学生のマー君と付き合っている。



「まぁね。
美衣のお兄さんは、クールで近寄りがたい感じのイケメンだけど、マー君はすごい優しくて王子様みたいな人なの」



絵梨花はマー君の笑顔を思い浮かべたのか、幸せそうに微笑んだ。