もう、雨音と背の高さもそんなに変わらないくらいまでになった。

綺麗な透き通った青いビー玉のような瞳にまっすぐ見つめられる。

「大きくなったな、羽花」

「……雨音は変わらないね」

「変わらないんじゃねぇ。変えたら、お前が俺をわからないからだ。それに……本来なら人にあまり干渉しちゃいけないルールなんだよ」

「それならどうして、関わるの、私に」


聞くのがこわい。

忘れたままの可能性だってある。

それなのに、どうして?

「全部賭けだったんだ。俺の杜にお前が現れるのか、雨音が聴こえるのかも。それでも、ずっと待っていたーー待っていたかったんだ」


優しくて、迷いのない雨音が心に響く。







「もう絶対、忘れないよ」