桜花国から帰国した後は、警察官の仕事に追われていた。なぜか事件がよく起こり、対策本部のことを考えている暇もない。

「よっしゃ〜!パトロールの時間だぜ〜!!」

無駄にはしゃぐレムに、俺はため息をつきながら防弾チョッキを着た。

「変なテンションはやめろ!疲れる!」

そう言う俺に、レムは不満そうな目を向ける。

「だってよ、こんなに忙しかったら笑わないとおかしくなっちまうじゃん。ていうかお前、まだ防弾チョッキ着るのかよ〜。世界平和対策本部の議長様だろ〜?」

「それとこれとは話が別だ!!さっさと行くぞ!」

俺はレムの頭を叩き、交番を出る。レムも「へいへ〜い」と言いながら俺に続いた。

変なテンションのレムを見ていると、対策本部の問題児たちを思い出す。

アレックスは今頃学校だろう。リーは医師として患者を診ているだろうし、フローレンスも新しいオペラの台本を覚えるのに忙しいと前に言っていた。ジャックもイワンもきっと忙しく働いている。

リリーの顔が浮かぶ。あいつは何をしているんだろう。リリーだけは予想することができない。