旅館での一夜は、初めてのことであふれていた。

夕食も、俺が今まで食べたことのないものばかりだった。まあ味はとてもうまかったが…。リリーが俺の刺身を横取りしてきたので、すかさず捕まえて叱り女将たちに笑われたが。

温泉というものに初めて入った。露天風呂から見た星がきれいだった。…隣の女風呂からはしゃぐ声が聞こえたが…。後で小町に聞いたところ、リリーがはしゃいで泳いでいたらしい。

浴衣を着て、ジャックとリリー、小町と一緒に桜花国で流行っているカードゲームを寝るまでした。……とても、楽しい夜だった。

次の日も、朝から観光地を巡った。桜花国の人々の生活を体験したり、桜花国の料理を作ったり、とても楽しい。リリーが勝手にどんちゃん騒ぎを始めたり、桜花語で井戸端会議に参加したり、リリーから目は離せないが……。

どこに行っても、桜花人は温かく迎え入れてくれる。それが安心し、まるで家族ができたかのようだった。

桜花国に来て五日が経った頃、朝食を食べている時にリリーが俺に話しかけた。

「リーバス、今日は二人で遊びに行こうよ」