「では、これにて会議を終了する!」

俺がそう言うと、対策本部のメンバーたちは、やっと解放されたというような安堵の表情を浮かべながら、帰り支度を始めた。

ラス国でのあのひどいパーティーから、二ヶ月がたった。

パーティーの途中で俺とリリーは帰り、対策本部のメンバーたちには多大な迷惑をかけてしまった。

俺のした(記憶はないが)演説や、俺が帰ったと知った後、ハメを外し貴族のパーティーにも関わらず大騒ぎをアレックスたちがし、ベルベット卿から怒りの手紙が山のように送られてきた。

そして、世界平和対策本部での仕事が増え、ここ最近はみんな疲れている。

……この二ヶ月は、会議は中断することなく進んでいることも理由の一つだと思うのだが……。

俺は少し離れた場所に座る人物を見つめた。表情は暗く、いつものような明るさはどこにもない。

この対策本部一の問題児であるリリーは、もう二ヶ月の間、ずっと暗い顔を見せ続けている。会議中にパーティーを開催しようともせず、会議中に発言することなく、静かに過ごしていた。