結局その日は目が覚めた後、ご飯を食べてお風呂に入り、今日あったことは夢なんじゃないかと思いながらまた眠りについた。
だって目を覚ますと宏はいなかった。
私は宏に抱きしめられながら意識を手放したはずなのに。
だから悪い夢だったのだと思い込むことにした。
そして次の日の朝。
その日はいつも以上に温もりを感じ、アラームが鳴る前に目が覚めた私。
何だろう、いつもより布団の中が暖かい。
その暖かさを確認しようと、ふと視線を横に向ければ……。
「おはよう、美羽。
寝顔も本当に可愛い」
いつもの口調の宏が微笑みながら私を見つめていた。
「……っ、きゃあ!?」
思わず声を上げ、起き上がる私。
急いでベッドの反対側の壁際へと移動し、背中をつける。
一気に目が覚めた。