猛暑が続いた夏が終わり、だんだんと気温が下がってきた十月上旬の秋頃。
「み、う……」
「あーっ!宏二度寝しないの!」
また今日も宏を起こしに部屋にやってきたのだけど、後ろから抱きつかれてしまう。
さらにはそのまま固まってしまい、宏が寝てしまった。
「…美羽、うるさい……」
「う、うるさ…!?も、もう宏なんて知らない!
今日せっかく宏の分もお弁当作ってきてあげたのに!」
「……っ、起きる!
美羽の手作りお弁当!」
私の一言で宏の目を覚めたらしく、すぐさま私を離してベッドからおりる。
こ、今度は速い…。
「そんなに食べたいの?」
「当たり前。何があっても食べる」
そんなに好きでいてくれるなんて、逆に嬉しいな。