由紀ちゃんに、宏からダブルデートを了承してもらえたことを伝えると、すごく喜び何度もお礼を言われた。
それから詳しい時間や待ち合わせ場所を決め、日曜日がやってきた。
「……んっ」
その日はアラームをセットしていたけれど、それよりも先に目が覚めてしまう私。
時計を確認すると、まだあと四十分ほど時間があった。
また寝ようと思ったけれど、今日の遊園地が楽しみすぎて眠れそうにない。
だから起きようとしたその時、部屋の近くで誰かの足音が聞こえてきた。
もしかしたら宏かもしれない。
そう思った私は、とっさに寝たふりをしてしまう。
案の定、私の部屋のドアが開く音がした。
もしお母さんだとしたら、きっと部屋に入ってすぐ声をかけるけれど、その人物は声をかけない。
だから宏だと確信した。