いつも通りの朝。
アラームが鳴って目が覚めた。
ゆっくり体を起こし、伸びをする。
窓の方に視線を向けてみれば、カーテン越しでも天気がいいことがわかった。
ベッドから降り、ある程度準備をしてからリビングへと向かう。
「おはよう、美羽」
リビングへ行くと、お母さんが仕事へ行く準備をしていた。
お父さんはすでに仕事に出かけていて、もういない。
両親共にバリバリ働いているから、中々家族全員揃うことはない。
寂しいかって言われたら、寂しい気持ちもあるけど、私には家族のような関係の人が一人いるから大丈夫なのだ。
それは、私…桜 美羽(さくら みう)と隣に住む幼なじみである、柊 宏人(ひいらぎ ひろと)のことだ。