季節は秋から冬になろうとしている。

いつものように僕は彩芽と
帰っていた。

許してはもらえたものの、
笑顔が減った。

急に彩芽は歩くスピードを速め、
振り返った。

「ねぇ。別れよう。」

突然のことだった。

「風太にはやっぱり薫なんだね。
いつも薫を見かけるとずっとそっち
ばかり。なんなのほんと。
私のことなんて見てくれない。
薫のこと好きならそっち行ってよ。
どうしても忘れられないなら
行ってよ。
大山から奪いなさいよ。
見ててイラつくの。
ずっと薫のことばっかりのな風太を見ると。」