「誰…ですか??」



「あ、バレちゃいましたか〜。僕は新選組1番隊隊長、沖田総司です」



と、彼は微笑んだが、その笑みには全く優しさが感じられなかった。いわゆる黒笑だ。



「なにか?」



「さっきの、見てました」



「そうなんですか。それで?」



少し不気味に思いながら警戒心を強めると、彼はさっきお団子をあげた男の子のように、何かを求める表情で答えた。



「なんでそんなに強いんですか?」



「……練習したからです」



何を言い出すかと思えば………。



沖田総司と名乗る彼は、一瞬停止すると、「まぁそうでしょうね」と馬鹿にするように苦笑した。



「もう行ってもいいですか?」



「うーん。僕もこれからお団子を食べに行くところだったんですけど、あれを見てしまったら君を野放しにしておくわけにはいかないんですよねー。てことで、君を屯所に連行します」



私が言い返そうとすると、「問答無用です」と私の腕を掴んで屯所とやらに連れていかれた。