クリスマスから一週間経ち
今日はお正月。

二人とも、実家には帰らなかった。

この年になると帰る度に
彼女はいないのか、嫁はまだか
早く孫の顔を見せろと
両親や親族達が煩い。

依織も同じようなことをぼやいていたな(苦笑)

同性しか愛せない僕達は
天地がひっくり返っても
両親や親族に子供の顔を
見せることはできない。

廿楽や御坂は帰っているだろう。

僕が“男”と付き合っていると話すだろうか?

まぁ、それはそれでかまわないが。

『蒼昊、考え事ですか?』

お正月料理を並べていた
依織が心配そうに訊いてきた。

『ごめんごめん、何でもないよ』

誤魔化すように笑い、
耳元で囁いた。

『実はね依織を抱きたいけど
夜は長いなぁって考えてたんだ♡*。』

僕の言葉に耳を抑えて
足早に自分の席に向かった。

可愛いなぁ。

依織がいてくれれば
それだけで幸せだ。

二人で向かい合わせに座り、
録り溜めていた番組を見ながら
食事を始めた。

~end~