深夜1時。貝塚は人気の無い裏路地を歩いていた。

「あーあ、学校も合コンもマジでつまんなぁい」

さっきまで一緒に合コンに参加していた友達ももううちに帰ってしまった。
男メンバーたちも全員朝早いからと帰ってしまい、貝塚は1人になったのだ。

「二次会のカラオケくらい行っても良くない?あーもームカつく!明日神崎使って解消してやるんだから…」

貝塚がその場にあったゴミ箱をドンっと蹴飛ばした時、

「お姉さん、こんなのに興味ない?」

目の前に現れたのは鬼の面を被った長身の男だった。…鬼の面の下にもう一つ面を被っているように見える…
男は何かカラフルなものが入った小さな袋をちらつかせている。

「は?なに?良く見せて」

貝塚は男から袋をひったくるように取った。

「…なにこれ…ラムネ?」

「それはねぇ、エクスタシィって言うんだよ。食べると快感に浸れるし、痩せれるよ?
お姉さん美人だし……サービスでタダであげるけど、どう?」

「え?タダ?!」

少し怪しいとは思ったが、
…痩せれる…その言葉に貝塚は心を掴まれた。
騎士山は痩せてる子が好き…
だから神崎なんかに告白した…
神崎なんか…
神崎なんか…
神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんか神崎なんかっ………

「あ、君…」

じゃらじゃらじゃらっ……ガリガリッ

ゴクン…

貝塚は袋の中のものを全て飲み干した。

「ふふふふふふ……ひひひひひひゃひゃひゃひゃ…ザマアミロ神崎っ!
私の方がっ……………」

ガクッ

貝塚はオーバードーズした。