「本当、むかつくわーー」


類がそう言った瞬間ーー。

引っ越しセンターのトラックが、アパート前に横づけされた。

「じゃあ、荷物運びますね!」

引っ越しセンターの人二人が現れ、俺ら二人分の荷物が消えてゆく。

走っては、車にーー。
走っては、車にーー。
絶対、止まってはいけないらしい。
引っ越しセンターの規則らしく、だけど息すら乱れない二人に、プロ意識を感じた。

15分。
たった15分で、荷物は運び出され、後はーー。

想の家に行くだけになった。

「じゃあ、お兄さんっ。
この住所にお願い!!」

いつ、想の住所聞いたんだよ。

そしてーー



15分。

「可愛い家だな、想ちゃんらしいわ!」
白い家に、花壇に色とりどりの花にーー、想らしさがある。