「おっはよー聖奈ー!」
「聖奈昨日のドラマ見たー??」
「聖奈〜」「聖奈〜」「聖奈〜」

いつもと変わらない教室。いつもと変わらないクラスメイト。そしていつもと変わらない森井穂高。
「おはよ!穂高くん」
「⋯あ⋯うん⋯」
その間が抜けた挨拶も毎日の事。
「毎日言ってるじゃない。『おはよう』って言われたら『おはよう』って返すんだよ!」
「⋯zzz」
ってもう寝てるし!!!!
「⋯またアタックしてるよ⋯懲りないねw」
「亜樹〜だってさぁ」
彼女は七瀬亜樹。私の幼稚園からの親友。いつも相談に乗ってもらっている。
「あんなののどこがいいわけ??他にもいるじゃん!ほら、サッカー部の羽柴くんとか、テニス部の安原くんとかさ」
「あの2人はかっこいいけど違うんだよ」
穂高くんも結構イケメンだよ??⋯そう言ってまたいつもと変わらない会話が始まる。「ん?なになに??俺らの話??」
「あんたちには興味ないっつーの!!」
羽柴くんと安原くんは女子からかなり人気者だけどタイプではない。てか、いつも絡んできてウザい。
「ほら、廊下に女子集まってるよ。あれ邪魔なんだから何とかしときなさいよ」
「わーったよ」

いつもと変わらないうるさい廊下の女子たち。
それに対応する2人の人気者。
私の話をいつも聞いてくれる親友。
なんの他愛もない話で盛りあがるクラスメイト。
いつも1人で本を読んでいる委員長。
教室の植物に水を与える生物委員。
そして、先生がくるまで爆睡してる私の好きな人。
いつも変わらないけど退屈はしない。
『カーカーカーカー』
今日は朝からカラスがうるさい。私の今日の窓から何羽ものカラスが飛んでいた。
「⋯なんか不吉な感⋯⋯⋯⋯」




そこから先の私の記憶はない⋯⋯⋯