週が明けて月曜日がやってきた。今日も学校に行かなきゃいけないのかと思うと、気持ちがすごく重くなる。

朝からどんより曇っているし、ますます足が遠のいてしまう。家から学校まですぐなので、もう校門が見えてきた。

朝の登校時間のラッシュ。たくさんの生徒が校門へ吸い寄せられていく。

「おはよう」

靴箱で履き替えていると、後ろから本田君の声がした。私に言っているんだということは、振り返らなくてもわかる。

だって、周りにはほかに誰もいないから。

「お、おはよう」

周りに沢井さんたちがいないか、常に気になって見てしまう。キョロキョロしていると、本田君に首を傾げられた。

「誰か探してんの?」

「ううん! ちがうよ。あ、この間はありがとう。すごく助かった」

「いや、全然。それより、柳内さんが無事でよかったよ」

なんて言って優しく笑う本田君。その裏で周りが気になって仕方がない私。

「じゃ、じゃあ、亜子は先に行くね」

「え?」

「とにかく行くね」

遠くのほうに沢井さんの姿が見えたので、逃げるようにその場を離れる。

なるべく早く教室に入ってしまいたい。本田君といるところを見られたくない。もうなにも言われたくない。