12月24日、クリスマスイブを迎えた。

その日は平日で、お互いに仕事があったため、私たちは夜に会うことになった。

待ちあわせ場所は、二ノ宮さんのお兄さん夫婦が経営している洋食店『あけび亭』だ。

そこで紹介も兼ねてお兄さん夫婦と一緒にクリスマスパーティーをやることになっている。

「お姉ちゃん、よかったね」

私の顔にメイクを施しながら、ゆかりが言った。

「うん、よかったよ」

服は婚活パーティーの時に身につけたあのドレスだ。

「ちゃんと話しあってよかったでしょ?」

「そうだけど、ゆかりは…」

そう言って目玉を動かしてゆかりを見た私に、
「私のことはもういいの。

私は私で自分を磨いて、素敵な人を見つけるから」

ゆかりは笑いながら言った。