二ノ宮さんと一緒に動物園に行ってから、数日が経った。

「えーっ、打ち明けちゃったの!?」

大きな声で叫んだゆかりに、私は両手で耳をふさいだ。

「声がデカい!」

近くにいるんだから、大きい声を出さないでよ!

「出したくなるに決まってるでしょ!

何で打ち明けちゃったの!?

ねえ、何で!?

何で何で何で!?」

後半は“何で”しか言っていないような気がする…。

早口でまくし立てるように聞いてくるゆかりに、
「いつまでも騙している訳にはいかないでしょ」

私はあからさまだと言わんばかりに息を吐きながら答えた。

「私のことを気にしているんだったら…」

「気にしていません。

それにいつかはバレることだったんだから、もういいじゃない」

ゆかりの言葉をさえぎるように、私は言った。