きらきら、きらきら。
とても綺麗な星空の下で。
大好きな あなたと手を繋いで。
何もない所で躓く私に あなたは笑いながら。

ただただ幸せだと感じながらー・・・


「なんだ、夢か…」

きらきらと朝陽が照らす。
真っ白な絨毯の上で目を覚ます。
アラーム画面を開いたままのスマホを握りしめた手。
散らかった部屋。

いい夢だったから あのまま覚めなくてもよかったのに。
深くため息をついて ゆっくりと起き上がる。
顔を洗い、メイクを始めようと、鏡に映る自分を見る。

彼氏と別れたばかりの私は、夢の中の隣にいた人は誰だったんだろうと
考えながら眉を描く。


彼は私よりひと回り年上で、元々同じ職場の上司にあたる人だった。
私から好きになり、1年近くアタックし続けてやっとの思いで両想いになれた。
お互いの親も公認で、それとなく同棲の話も出てきて期限を決めたのだが
「お金がない」と約束を延ばし延ばしにする彼。
話し合いや 一緒に暮らせるように様々な提案を持ち掛けたりしてみたのだが
あからさまに嫌がり、終いには怒る彼。
一緒に暮らしたいとは思ってるし、まいと付き合っていきたいとは思ってる。
とは言うが、その先に進めない私たち。
1年半ほど待ち続けたが話は進まず。
それどころか煮え切らない彼に私の気持ちはどんどん離れていき、半年ほどは彼との時間も楽しめず何で一緒にいるのか分からなくなってきた。
彼もいつまでも約束にこだわる私に呆れていたと思う。
別れを告げたのは私だった。
彼のことは好きだった。
ただ、自分の言葉に責任をもって欲しかったのだ。
何かに迷いや不安があるなら一緒に乗り越えていきたかったのだ。
3年近く付き合っていたのだけれど、長いと思っていた月日は短かったのだろう。
お互いのことを理解できていると思っていたものはまだまだ浅く、お互いに受け入れられないことばかりだったのだから。
人それぞれ価値観が異なるのは重々承知している。
でもそれを受け入れられるかは難しい。
ただ、幸せが待っている道ではないと思った。

と、まあよくあるやつだ。
桃色のブラシで頬を染め、短くため息をつく。
雲ひとつない空の雲を探しながら仕事向かった。