「っわ!」

「あっ、ごめんね! 驚かせちゃった⁈」


突然背中を叩かれ、ビックリした拍子に椅子からお尻が浮いてしまった。


「あ、いえ……」


私の背中を叩いたのは一人の女の子。

セミロングの髪が毛先だけくりっと内巻きになっていて、顔はお化粧バッチリ。

今どきの女子高生って感じの子だった。


「あたし、山内こころ。こころでいいからね?」

「あ……はい」

「あたしはー……桃香って呼んでもいい?」

「え……あ、はい……」

「あー! はいとか、そういう敬語っぽいの使わないでよ。タメなんだからさ」

「え、あ、はい、あっ……」

「もーう! 言ったばっかでー」


こころちゃんという彼女は楽しそうにケラケラ笑う。

突然話しかけられて、緊張から顔が真っ赤になっていくのを感じた。