「おーきたきた! おっせーよ!」

「あっ、理玖! おっはよ!」


一ヶ月ぶりの学校。

一ヶ月ぶりの教室。

久しぶりに行ってみると、珍しいことに遅刻魔純太がすでに来ていた。


遅刻魔に「おっせーよ!」なんて言われるとは……。


「どういう風の吹き回しだ? お前がいるなんて」


人の席でくつろぐ純太の首根っこを掴み上げる。

純太は「いてててて!」なんて、大袈裟なリアクションを取りながら椅子から立ち上がった。

カバンを机に放ると、そばに立っていたこころが腕をつついてくる。


「あれだよ、あーれ! あの話!」

「……あの話?」

「理玖んちに来た、女の子!」


あぁ……その話。

……それが?


「それが気になって早く来ちゃったんだよねー? 純太は」