十二月二十五日。


二学期終業式。

そして、クリスマス……。


カーテンの向こうは明るく、晴天がうかがえる。

ベッドの中から枕元の目覚まし時計に手を伸ばすと、時刻は八時五分前だった。


そろそろ、かな……。


耳を澄ませて隣の部屋のドアが開くのをじっと待つ。

今日は、体調が悪いという理由で学校を休むことにしていた。

本当は最後にクラスのみんなの前で挨拶をしなくちゃいけないと思ったけど……先生や仲良くしてくれたクラスメートのみんなには、前もって別れの挨拶はしておいた。

だから、もう行かなくても大丈夫。

とにかく、理玖くんが知る前に東京を発つことを私は最優先で考えていた。

そんな自然な自分の行動を思うと、やっぱり理玖くんとのことがショックなんだと、改めて自分の気持ちに気が付いた。