男子校に入学って・・・


「おい、こっちだ早くしろ!」


奏多はボーっとしている私の手を取って
無理矢理連行しようとした。


「触らないでって言ったでしょ!?
自分で歩けるわよ!」

そう言いながら、奏多の手を振りほどいた。


「そうか・・・。
だったらボーっとしてないでさっさとついてこい!」


「わかってるわよ!」


ホントは今にも逃げ出したいが、
さっきも思ったようにここがどこなのかよくわからないし、
「わかってる」とついていくことに勢いで同意してしまったので
仕方なくついていくことにした。


先ほどのスーツ姿の女性二人が私の両側に付き、
目の前を奏多が歩いている。

なんだか私が悪いことをして
警察署へと連行されてる気分だ・・・。


そんな気を紛らわすために歩きながら少し校内を
見てみる。