入学式前日。

私は黒澤高校の寮に来ていた。

「ここが、うちの高校の寮施設だ、
なかなか広いだろ?」


「・・・・・・」


「どうした?
あぁ、でかすぎて放心しているのか」


「無理もないな」と腕を組みながら頷く奏多の言葉、
後者だけ合っている。


私は放心しているのだ。

しかし、それは寮施設が大きいからじゃない。


それは・・・


「なんで私が男子校に入学するのよーーー!!」


「・・・っ!
突然大声で叫ぶな!鼓膜が破けるかと思っただろ!?」


大げさな・・・


「大体、お前の親にもしっかり許可を取った、
何の問題もないだろ?」


「私の・・・私の許可はどうなったのよ!?
私、本人の許可は!?」


「必要ない」


きっぱりとした口調で言われた。

この男は・・・!